ジュエル♡ハント~治癒王子は愛しの彼女を過保護に守る~



距離を取って後を追い、私たちも神社へと入って行く。

神社の中にはほとんど人が居ないけれど、より人が来なさそうな奥のスペースに店員は入って行った。

私たちもその手前にある木の陰からしゃがんで様子を伺うと声が聞こえてきた。すでに居た誰かと待ち合わせしていたようだ。



「お待たせしやした」

「おう、調子はどうだ?」

「いやぁ最近のガキは知恵ついてきているのか、簡単にお金を落としてはくれませんね。ハハッ」



嫌な気分になる会話が聞こえてくる。

会話の相手は予想通り……例の黒石プロデューサーだった。

こちらが聞いているとも知らずに大きな声で話している。口調的にプロデューサーの方が立場は上なのかな……

人を騙しておいて、しかもお客さんの中には小さな子どももいるのに、悪びれもなく笑っているなんて……

私は今にも2人の前に出て行って怒りたい気持ちを必死に抑えていた。


……また、物理的にも押さえられていた。