ジュエル♡ハント~治癒王子は愛しの彼女を過保護に守る~




『屋台の店員が移動した。祭り会場出ようとしている。恐らくここの隣にある神社の方へ向かったかと』



橘先輩からの情報が入る。

よしっ!私たちの出番だ。神社方面へ向かう。

怪しまれないよう、夏祭りを楽しむ2人に見えるよう、手は繋いだまま……

これはある意味お仕事。集中しなきゃ、しっかりしなきゃ……そう思うけれどドキドキしてしまう。

そんなことを考えていると、日向くんの足が止まった。



「いた」

「え?あの人?」



日向くんが前を歩いている人を見て小声でつぶやく。

考えてみたら、チラッとしか見てないので、屋台の店員だという確証が持てない。

……しまった。



「間違いないよ、記憶と一致してる」



そうだ、日向くんの瞬間記憶があったんだ。すごい、大活躍。

その人は予想通り、会場の隣ある神社にそのまま入って行くのが見えた。