店員はジュエル持ちじゃないけれど、売っているものはジュエルストーン……
やっぱり誰かが横流しして悪用しているんだなぁ……
店員とプロデューサー、もしくは他の誰かなのか……接触するならその時を押さえて、まず店員の仲間を確実に知りたいな。
気合が入る私とは対照的に、日向くんはなぜか苦い顔でふぅっと息をついている。
少しかがんで顔を私の耳元に近づけてきて囁く。
「約束通り……もし見つけても無理に接触しちゃダメだよ」
「うん……わかってる」
「何があっても俺と居ること。どんな時も守るから。まあ俺がいる限りそもそも危険にさらさないけど」
ち、近いよ……って思う間もなく、日向くんが私の手を引いて歩き出す。
さっきまでの気まずさはなくなったけれど、私の意識は繋がれた左手に集中していた。

