「そうですか……正直、失礼ながら警戒心はまだ消えませんが……琥珀ちゃんがウソだと言わない以上、本当でしょうし」
「こちらも探るように、勝手にあなたのこと調べてすみません」
水瀬先輩が頭を下げる。
よかった……少し空気が軽くなった気がする。
この間もずっと、大丈夫だよと言うように隣にいてくれた日向くん。
そんな日向くんが珍しく口を開いた。
「この2人を……利用したり傷つけたりしないって約束してください」
「もちろん、約束するよ」
「……まぁ2人にこの格好とか、アイドルの格好させている時点であまり信用はできないのですが」
いつもと違って、ニコリともせず鋭い視線で夜兄を見て告げた。
同級生の嫌味にも笑顔でかわす日向くんが、こんなにも敵意むき出しなことに驚いてしまった。
「……ふっ、若いっていいね。ならさ、代わりに琥珀たち守ってくれない?」
「それは言われなくても……」
「そうじゃなくてねぇ、来週末に例のプロデューサーがいる石英テレビの本社前で夏祭りがあるんだよ」
「そこでラピスラズリとして2人はミニライブをする予定でねぇ。ライブに乗じてプロデューサーに接触するのが目的」
「なっ!!!」
クリスタルのみなさんが一斉に声を上げた。

