チラッと見ると、日向くんの手。
ポンポンと落ち着かせてくれるように優しく触れてくれている。
ありがとう……すごく落ち着いて……安心してくるよ。
すごく長く感じた沈黙の中、夜兄が口を開いた。
「……そこまでわかっちゃってるんだ。さすがだね、学園のクリスタルは。さすが俺の後輩。俺の時より優秀なメンバーがそろってるねぇ」
「え……?」
「あれ、琥珀知らなかった?俺も一応クリスタルだったんだよ、芸術部門のね」
知らなかった……OBってことだけで、まさかクリスタルだったとは……
「学園にはもちろん2つのジュエルとも報告していたけど、学園からの指令で表向きはジュエル感知の方だけで過ごしていた。それほど危険なジュエルなんだよねぇ、ジュエル消去」
「だから学園のデータベースの卒業生情報でも、ジュエル消去の方は載せていないはず」
「そしてキミの鑑定ジュエルを警戒して、俺は今日、キミに触れられないようにしていた……どうしてわかったの?」

