「この世にいくつか存在する、極めて稀で、そして危険なジュエル……そんな要注意ジュエルの1つ……」
「ジュエル消去……これがあなたが持つもう1つのジュエルですね?」
「ジュエルを悪用しすぎた人が裁かれる時、ジュエル消去を持っている人がその力で悪人のジュエルを消し去る……あなたはそんな執行官ですね?」
ジュエル消去……?前に先生が悪いことするとそうなるって言っていたあの……
そのジュエルを夜兄が持っている!?そしてその執行官!?
一気に情報が出てきて理解が追い付かない……
「別に執行官であることが悪いとか、そういうことは全くありません。立派なエリートとも言える職業ですし」
「ただ、それを隠してまでうちの大切な生徒を悪い方向に巻き込むのなら、僕たちは阻止する義務がある、そう考えているだけです」
水瀬先輩が話し終え、この場がシーンとする。
夜兄は怖い人なの?私たちになにか隠しているの?アイドルとか、今までのことは全部ウソの目的なの?
……悪い方にばかり考えてしまって、不安になってしまう。
そんな時、ふと腰に手が添えられた。

