賑やかなみんなを横目に、もぐもぐとたまごサンドを頬張る私に、日向くんがコソっと話しかけてきてくれた。
「ふっ……リスみたい……」
「……!」
ふくらんだほっぺたをぷにっとついて、また悪い微笑みを浮かべている。
もう!と思っていると、日向くんは私の衣装をまじまじと見つめながら呟いた。
「これ、可愛い…」
「あっ……ありがとう」
照れながら言ってくれるから、なんだか私も照れてしまう。
照れ隠しもあって私は早口で続けた。
「これね、動くたびにスカートふわっとなってね……それでねフリルがね……」
日向くんはうんうんと、ニコニコしながら聞いてくれている。
恥ずかしさもあるけれど、私も翡翠が作ってくれたこの制服が大好きだから、制服の可愛さをわかってくれて嬉しくなり、つい熱弁してしまった。
「ふふっ可愛い」
「ね!可愛い制服だよね」
「違うよ、着ている橙山さんが可愛い」
照れるそぶりもなくジッと目を見ながら言われ、顔が熱くなってしまう。
こんな時どうしていいか分からず、顔をそらして沈黙が続いた時、水瀬先輩の声が聞こえて少し助かった。

