「2人に何させるつもりで?」
そんな私たちの様子を見て、怪訝そうな警戒するような顔で橘先輩が尋ねる。
他のみなさんも、かなり不審な目で夜兄を見ている。
それもそうか……今の夜兄は、茶髪でゆるいパーマに薄いサングラス、TシャツGパンというこのカフェの雰囲気と全く合わない怪しい見た目をしていたから……みなさんが警戒するのも不思議ではない。
「そんな顔しないでよ~君たちも喜ぶことだと思うけどねぇ。メイド服♡」
「ちょっちょっと!夜兄!!」
恥ずかしすぎて拒否しようとする私たちを横目に、先輩たちの顔が怪訝ではなくなっていく。
うっ……嫌な予感……
「琥珀、着替えてる間に好物のたまごサンド用意しておくよ」
「う……」
「翡翠ちゃんもね!ジュエルの効果、リーダーとして確認したいからね!」
常盤先輩がそれとない理由を付けている横で、他のみなさんも微笑んでいる。
出た……!王子スマイル×6!
ニコりと微笑みながら有無を言わせない圧がすごい……
う……着なきゃダメなの……と思いながら、少したまごサンドにつられる気持ちもあり……
諦めて翡翠と更衣室へ向かった。

