外出届を提出し、学園の外へ出て目的地まで歩いている。
クリスタルのみなさんと一緒に歩いているところを見られたら注目を浴びてしまうので、翡翠と私は翡翠のジュエルでスーツを着て先生風の大人の女性に変装している。
常盤先輩の結界を張ってほしかったのだけれど……
クリスタルのみなさんに翡翠のジュエルが見たい!と押し切られてしまった。
「すごいね、翡翠ちゃんのジュエル。全然わからない」
「だから黄輝も昨日、翡翠ちゃんは見抜けなかったんだなっ!」
「でしょ!?さすが俺の部門の子よ!すごいんだから!」
なんて、水瀬先輩と赤崎先輩が驚く中、常盤先輩がドヤ顔で嬉しそうにしている。
でもわかる、翡翠のジュエルは本当にすごいし、私もいつも助けてもらっているからね。
「しかし……本当大人っぽくなったね。年上のきれいなお姉さんと話しているみたい」
そう言って隣を歩く水瀬先輩が、私の髪の毛を一束取って触る。
ドキッとしているのもつかの間、その手を日向くんが掴んだ。

