ジュエル♡ハント~治癒王子は愛しの彼女を過保護に守る~


ふと、昨日のあの場でのアラート音が鳴った日向くんの発言を思い出した。


――「ラピスラズリのファンだったし、ちょっとしたツテで潜入させてもらったんだ。そんな時にまさか橙山さんって気づくとはね、驚いたよ」――


もしかして……「ラピスラズリのファン」って部分ではなくて、「そんな時にまさか橙山さんって気づくとはね、驚いたよ」って部分でアラート音が鳴ってたの!?

前から気づいていた、驚いてないってこと……?

む、難しい……!



「さ、行こっか」



先輩たちのニヤニヤした生温かい視線に気づいてハッとする。

1人でグルグル考えていたのを見られていたと思うと恥ずかしい……


クリスタルルームを出ようと歩き始めたとき、頭に大きな手が乗せられた。

振り向くと、そこにはまだ少し赤くなっていて、ちょっとムスッとした日向くん。