なんて考えていたら、周囲が賑やかになってきた。



「ねぇ見てー!クリスタルのみなさんだよ!」

「ほんとだ!!はぁ…紫音さんカッコいい…」

「私は蒼さん!あの知的な感じが好き!!」

「私はクリスタル箱推し!!」



みんなが嬉しそうに教室から廊下を見て話している。

相変わらずすごい人気だなぁ……

突然みんながざわつき始めた話題の中心であるクリスタルとは、各部門のリーダーたち6人のこと。

各部門での出来事の共有や報告、学園行事についてなどを、週に1回くらい集まって話し合っているらしい。

わかりやすく言えば、生徒会みたいな感じなのかな。

今週の集まりが終わったのか、6人揃って廊下に現れたから教室が一気に賑やかになる。

そんなみんなをよそに、私は席についておにぎりを食べる。

お行儀悪いんだけど……もうお腹すいちゃって。朝ごはん食べたんだけどなぁ……えへへ。



「もう、琥珀はまた興味なさそうにおにぎり食べて……」

「カッコいい!とか思わないの?」

「あはは……リーダーってすごいなぁって気持ちが強くてカッコいいって思う余裕が……もぐもぐ」



リーダーは基本的に学問やジュエルの成績と普段の様子から総合的に判断して、各部門の優秀者が選ばれる。

なので、クリスタルのみなさんはすごい人たち!なのだ。



「う~!早く琥珀と恋バナできるようになりたいよ~!」

「ね~!楽しいよ!」



こう言ってくれるのに申し訳ないのだけど、私はまだ恋とか好きとかはわからなくて…

でもこうやって話しているみんなはとっても可愛いし、聞いているのも楽しい。

だからいつか……私もそういう気持ちになることがあるといいな。