「……日向くん……もしかしてジュエ…」
私の言葉を遮るように日向くんの右手が伸びてきて、私の頭に触れた。
日向くんは私の頭をポンポンしている。
突然の行動に驚いて次の言葉も出てこず、私は固まっていた。
「話したくなかったら話さなくていいんだけど……橙山さんのジュエル、副作用あるよね?」
「……やっぱり気づいていたんだね。今も……治癒のジュエル発動してくれているんだね……?」
「昨日のアレ見ちゃうとね、余計なお世話かもだけど……心配だから」
昨日私が倒れた後も日向くんがジュエルを使って回復させてくれていたのだと思う。
今朝、いつも以上に絶好調で体が軽かったのも日向くんのジュエルのおかげなんだろうな。
「いちご大福……食べたいって……ぶはっ」
「えっ?えっ?私そんなこと言ってた!?」
「ごめん笑っちゃって、副作用つらいのに……でも……ふっ」
心配そうな顔をしてると思ったら突然、クシャっと笑っている。これも初めて見る顔。
いちご大福の夢を見たと思っていたけど……まさか倒れたときに口に出していたとは……恥ずかしすぎる……
校内でジュエル使っていいの?とか……あっ私もか……治癒するのに副作用とかないの?とか……頭の手はなに?とか……
聞きたいことはたくさんあるけれど……
まずはこれを言わなくちゃ。

