「さっき……せっかくかばってくれたのに結局……瞬間記憶持ちで……ごめん」

「テストのときとかは極力使わないようにしてるけど、パッシブジュエルだから……確かにズルいのには変わらないと思う」

「いつも1位のヤツがこんなんで……がっかりした?」



こんな自虐的な日向くんは初めて見た。いつもニコニコでみんなの中心にいるから。

パッシブジュエル……意図せず普段からずっと発動するジュエルのことである。

確かに瞬間記憶持ちの人は有利なのかもしれない……

けれど……



「でも、日向くんが努力していて、クリスタルとしても頑張っていて、治癒のジュエルでみんなを助けて……それは変わらない事実でしょ」

「それに考えてみて!私……2位なんだよ?他の瞬間記憶持ちの人に順位は勝ってるんだよ?」



自分で言うのは自信過剰みたいで……ちょっと嫌だなって思うけれど……

今は日向くんに伝えることが優先だ。



「瞬間記憶持ってたって、努力してなきゃ1位は取れないよ!クリスタルにもなれない!」

「むしろ2つのジュエルを操っててすごいよ、2倍頑張らないとなんだから!」

「それを気にして謝ってたら、2位の私にも失礼なんだからね!しょんぼり禁止!!」