「琥珀……」
キスをしたときの琥珀のとろけそうな顔がどうしようもなく可愛くてたまらない。
恥ずかしがって絶対言わないだろうけど、琥珀の目も「もっと」と言っている……と思う。都合よすぎる解釈かな。
「琥珀も呼んで?」
琥珀の髪や頬を触りながらお願いする。
真っ赤になってまた口をもごもごさせている。可愛い。
「黄輝……くん……」
ものすごく嬉しいが、呼ばせたことを少し後悔した。
こんな2人きりの状況、もっともっと触れていたくなる。
「らっ来年も、再来年も、その次も…10月24日はここに来たいな。私たちの記念日」
そんな可愛いことを言われ、もう我慢できなかった。
力強く抱きよせて、地上に着くまでの間、何度も何度もキスをした。
付き合えることになって、琥珀とのことでの悩みは減るだろうと思っていたが、そんなことはなかった。
むしろ精神力との戦いだから、もっと悩むことになりそう。嬉しい悩みだ。

