告白してくれているのに面白くなさそうな顔をしている日向くん。そのギャップにクスリとしてしまった。

それを見た日向くんが、もっと面白くなさそうに私の頬をむにむにしている。

最初は笑顔の完璧王子って思っていたけど、こうしていろいろな表情も知れて、子どもっぽい一面も知れて…もっと愛おしい。



「もう離さないから」



真剣な表情で言われ、顔が近づいてくる。


…………!


反射的に目をつぶった。

唇に温かい感触がした。

次の瞬間には離れていた。一瞬の出来事。

なんか……もう少し……こんなこと恥ずかしくて言えないけど……

と思っていたら……

見透かしたかのようにニヤリとしながら、日向くんがおでこをくっつけてきた。


「もっと…?」



その聞き方はズルい。でも嘘はつけない。



「……もっと」



もう一度キスをした。

今度は長いキス。

生まれて初めての感情。大切にしたいなぁ。