「あの、これは……?」
「エメラルドだね、こんなに大きいのはかなり希少なんだよ」
すごく嬉しそうに教えてくれる。
ただ……
これは偽物だ。
見た目には完全にエメラルドに見えるけど、間違いない、偽物。
一息おいて責任者の方に聞いてみる。
「これは……どうやって手に入れたのですか?」
「これはね、知り合いが手に入れたってことで、安く譲ってもらったんだよ」
「お知り合いの方はどうやって……?」
「それはわからないんだ、教えてもらえなくてね」
「その方って……」
「ああ、ここのスポンサーでもある、石英テレビの黒石プロデューサーだよ」
「そうなんですね……ありがとうございます」
さりげなく……会話の中で情報は引き出せたと思う……
後ろにいる夜兄の方をチラッと見ると、パチッとウィンクしている。OKのサインかな。
改めてお礼を伝え、私たちは帰ることに。

