「まぁ理由があるから。オークション会場内は人も多いだろうし、せいぜいジュエルストーンかどうか判明する程度で、先生の横流しの確証は得られないと思うんだよねぇ」

「だから、キミたちの誰かが落札者となって、その部屋に恐らく来るであろう先生と対峙してほしい。そして、その時の会話から横流しの証拠を得たい」

「あっ、もちろんこの落札者役以外のみんなも当日オークション会場に潜り込んでもらうよ」

「それはそのつもりですが……落札者になるって……他のなにも知らない参加者ばかりでうまくいきますか?」

「うん、そこは制限なくお金突っ込んじゃっていいよ。払う必要なくなるから……ちゃんと今回逮捕できればねぇ」



夜兄の発言にみんなの空気がピリッとして緊張感が伝わってくる。

そうだよね……失敗できない、頑張らないと。

あの……と水瀬先輩が手を挙げて発言する。



「会場にジュエル保持者がいるリスクもあるのでは?」

「うん、そこはキミの出番。会場入りしたらさりげなく鑑定して、ジュエル持ちがいるか伝えてほしい。そして、結果は言霊で飛ばしてねぇ」

「わかりました……」



「大まかな作戦は以上なんだけど……あともう1つミッションがあってねぇ……」