「2人ともお疲れ様~!よかったよ、さすが俺のアイドル!翡翠、今日も頑張ったねぇ」



夜兄は私たちのマネージャーなんだ。



「琥珀も最初はあんなに嫌がっていたのにぃ、もうすっかりアイドルじゃん」

「最近はもう吹っ切れて思いっきり楽しむようにしているよ。なかなかできない経験させてもらっているんだしね」



今でこそ慣れたけど……最初はアイドルなんてできない!って思っていた。

翡翠のジュエルはすごいし心配はなかったのだけど、あんなキラキラした世界に私が入れるなんて……思えなかったから。


……じゃあなんでアイドルになったかって?

それには理由があるんだ。



「さ~て……2人ともここからが本番だよ」



夜兄がさっきまでのテンションの高さから一転、耳元で低い声でささやく。

翡翠と私も顔を見合わせてコクリと頷き、ジュエリー展の責任者の元へ向かう。