「ただ……パソコンやメールからはその不正売買の証拠は出てこなかった。夏祭りよろしく、とかプロデューサーとの事務連絡ばかりで」
「まぁキミみたいなハッカー系のジュエルを警戒して記録に残らないようにはしていたのかもねぇ」
「警戒はしていたんだろうけど、うっかり学校のパソコンから1回だけアクセスしてしまった。そこからキミによりいろいろ解析されてしまった。こう言っちゃダメだけど、その1回が致命的……こちらとしてはラッキーだねぇ」
「……その1回のアクセスがなかったとしても、俺のあらゆる知識を駆使して個人パソコンには辿り着かせていたと思う……意地でも」
珍しく藍野先輩がムッとした顔で答えた。
自分のジュエルに自信と誇りを持っているんだろうなぁ、かっこいいなって思う。
その横では夜兄が慌てて藍野先輩に弁明している。

