こんな物語

 「で、結局僕は何を手伝えば良い?」

 
 ラナルフのデスクに山積みになっている書類を次々に整理し始めるリーシャに、アスタはラナルフのベッドの端に腰かけながら尋ねる。
 

 「整理し終わった書類の確認と、急ぎのものにはサインの代筆。
 あとは、今のうちに明日、ラナルフが執務を行わない為の言い訳を考えておいて」

 「本気かい、それ?」

 「どっちのことを言ってる?まあ、どっちにしても…私がこんな冗談を言うと思うか?」


 ベッドの上から立ち上がり、リーシャが整理を終えた書類へと手を伸ばす。
 手に取った資料を眺めながら、常々疑問だったことを尋ねてみる。


 「思わない。
 けど、リーシャ。リーシャには出来ないことって、無いの?」


 質問にリーシャは、手を止めてアスタと視線を絡める。絡めた視線をそのまま、リーシャは人差し指で一点を指す。
 アスタはリーシャから視線を逸らし、指さした先を追うように振り返る。