学園一のモテ女は、塩対応男子に夢中です!

朝日が差し込む部屋。
玲奈はベッドから出て、軽くストレッチをすると、
「よし、」と言い、自分の両頬を叩き気合いを入れる。

「橘くん、落とすの難しそうよね…」
と弱音を吐きながらも顔を洗い、
胸元辺りまである髪をクシで梳かす。

鏡で自分の姿を見て、
「いつもは下ろしてるけど、今日は髪を結んでみようかな…」
いつも通りヘアアイロンで髪を巻いて、そこからどうアレンジしようか鏡の前で悩んでいる。

「ポニーテールは、少し子供っぽい?」
「ツインテール?私には似合わないか…」
「三つ編み…なんか違う気がする…」
色々なヘアアレンジを試していると、
時刻はなんと7時50分。
家を出るのは8時なのであと10分しか時間が無い。

「やばい、あと10分で家出なきゃ…!」

時計の針が進んでいくたびに焦りが増していき、
結局今日はハーフアップで学校に向かうことにした。

髪型が決まったのはいいが、制服に着替えていない。「制服、制服…っと、」
あまり、呑気にしている時間はない。

シャツに腕を通し、
スカートのチャックを閉めて。首元に赤いリボンをつける。
最後にジャケットを羽織ると、
「よし!完璧!」
そう思ったが…

時刻は8時4分
時計を見た玲奈は焦りながらも鞄を持ち、
「いってきます!」
そう元気よく言うと、朝食など食べる暇もなく…
慌てて家から飛び出して行く。