学園一のモテ女は、塩対応男子に夢中です!

みんなが帰り始め、教室には2人だけが残る。
外はもう夕暮れ、窓からオレンジ色の光が差し込んでいる。

玲奈使い終わった机を雑巾で拭いていると
この静かな教室が玲奈には少し気まずくて思わず
律に話しかける

「…き、今日は疲れたね〜」

『あぁ、そうだな。』

・ ・ ・

え?終わり?会話終わっちゃった?
まさかの、2ラリー?早!
えぇ、私何かしちゃったっけ?

机を拭く手を止めて律の方を向き、もう一度話しかける。

「舞台での演技凄かったよ〜!橘くんの王子様姿。
みんな惚れ惚れしててさ〜!」

律は教室の装飾を片付けている手を止めず目線だけ玲奈の方に向ける

『みんなが惚れ惚れしてた?そんなことどうでもいい』

冷たく言い放つと玲奈は困惑したように口を開く

「…へ、?」

律は片付けていた手を止め、玲奈のことをじっと見つめながら近づいて行く。
そんな彼は、昼間の余裕そうな表情と違い、どこか熱を帯びていた。

律は歩み寄り、玲奈を机の間に追い込む。
玲奈は驚いて後ずさり――背中が壁に触れる。

律の手が玲奈の熱い頬に触れ、そのまま親指で唇をなぞっていく

「あ、あの、橘く──…」
『その橘くんって呼ぶのやめない?そろそろ名前で呼べよ。』

玲奈の恥ずかしそうにしている姿を見てニヤッとし、続けて
『ほら、律って呼べよ。りーつ。』

「な、なんで名前呼ばなきゃ行けないのよ!」

玲奈の言葉に、ニヤッと笑みを浮かべ玲奈の耳元で囁く

『その可愛い声で俺の名前呼んでほしいからさ、な?律って呼んで?』

玲奈は耳元で囁かれるとビクッと反応して頬を赤らめ

「……ッ、りつ…?」

そうはにかみながらも名前を呼ぶと
律は口元を手で隠しほくそ笑んでいる

『…ッは、名前呼ばれるとやばいわ』

口元から手を離し玲奈の腰を抱き寄せる
『なぁ玲奈。』

聞きたいことあるんだけど────…