学園一のモテ女は、塩対応男子に夢中です!

結局私がヒロイン役を務まることになり。嬉しい気持ちもあれば複雑な気持ちもある。

実行委員の子が悩みながら口を開く
「で、問題のキスシーンだけど…やっぱり橘くん嫌だって言ってたし。フリにしようか。」
クラスメイトが話し合っている
「でもさ〜、フリだとなんか味気なくない?無理にキスするのもあれだけどさ…」
「てか、実際にしたらやばいだろ。大胆すぎるわ。」

クラスメイトの視線が玲奈と律に集まり、玲奈はあわあわしている
そんな中クラスメイトの1人が口を開く
「2人ともどうするの?キスしてるフリの所を小物とかで隠すのもありだしさ。」

玲奈は恥ずかしそうにしながらも必死に話し出す。

「いやいや、ちょっと待ってよ!実際にはキスしないから!フリね!フリ!」

クラスメイトが玲奈の方を向いてニヤニヤしだす。玲奈の方に集まり1人が
「わかってるって〜、なに?玲奈照れてんの?必死じゃん!」と言うと他のクラスメイトもつられて玲奈のことをいじりだす。
「え〜?玲奈ちゃん照れてるの意外すぎる〜!」
「八雲さんやっぱりヒロインは適任だよ〜!」

すると少し離れたところで律が腕を組み壁に寄りかかっている。

『…必要なら本当にキスしてやるよ。』

と、いう発言でクラスメイトはざわめく
「!?、?!?!!?、!??!、?」
「え、律マジで言ってる?」
「いやいや、そんな軽く言われても爆弾発言してるからね!?」

玲奈は頬を赤らめ勢いよく立ち上がり声を荒らげて律に問いただす。
「な、な…何言ってんのよ!ばっかじゃないの?!」

律は首を傾げて困ったように再び口を開く

『いや、フリでも本当にしても俺が相手ならいいだろ?』

は、?と言う声と共に玲奈の顔が熱くなる。
「な、なんでそうなるのよ、!」
律は悪びれる様子もなく続ける
『お前俺の事好きなんじゃないの?』

───私が橘くんの事が好き?いや、いやいや、ないない。そんなことある訳が…

「別にあんたのことなんて好きじゃないし!」

律はふんっと鼻で笑い、目線を再びスマホに戻し、
呆れたように適当に返事をする

『ハイハイ、そんなに顔赤くして言われても、説得力ねぇぞ〜』

玲奈は悔しそうな表情をしてそっぽを向く。

待ってなさいよ、橘 律。
今度は私が絶対にあんたをドキッとさせるから!