ゆゆは、雲の上のまっしろなお城にすんでいるおひめさま。お人形あそびがだいすきな女の子です。
「おりこうさんね、いい子ね」
 ゆゆはお人形にやさしく話しかけます。
 赤ちゃんのお人形のかみをくしでとかして、ふわふわのおふとんをかけてあげると、まるでおかあさんになったみたい。

 きょうは、メイドのナナさんが、赤ちゃんといっしょにお城にあそびにきています。ナナさんは、むらさき色でくるくるの長いかみがとてもすてきなお姉さんです。

「おぎゃあ! おぎゃあ!」
 ゆゆがベビーカーの中をのぞきこむと、ちゃ色のかみをしたとても小さな赤ちゃんが、まんまるのおめめでゆゆを見つめてきました。
 青いおめめは大きくて、ほっぺがふっくら。
 小さなおててを、ぎゅーっとにぎっています。
「わぁー! かわいい!」
 ほんものの赤ちゃんに、ゆゆは目がはなせません。

 ☆どの子が、ナナさんの赤ちゃんかな?
(同じ子を探してね)

「りんちゃんってよんでね。よろしくね」
「りんちゃん……!」
 りんちゃんがガラガラをふると、コロン
 とすずの音がしました。
 (きれいな音。りんちゃんにぴったりね)
 ゆゆはりんちゃんのかみに、ピンクのお花のヘアピンをつけてあげました。
「ナナさん! あしたもあさっても、毎日わたしの家に遊びにきてね」
「ふふっ。ゆゆちゃんてば。ほんとうに赤ちゃんがすきなのね」

 ☆ゆゆのたからばこには、かわいいアクセサリーがいっぱい! きょうはどれにしようかな? 
 ルビーのゆびわ、サファイアのネックレス、エメラルドのイヤリング、ダイヤモンドのティアラ
(心理テスト)

「ふわぁ……」
 ナナさんはあくびをしました。
「ねむいの?」
「ちょっとね。赤ちゃんって、夜もげんきいっぱいなのよ……」

 ☆これは、きのうりんちゃんがねた時間だよ。なん時にねたかな? (時計の問題)

 ねむそうに目をこするナナさんを見て、ゆゆはいいことをひらめきました。
「そうだ! わたしが赤ちゃんのおせわをしてあげる!」
「えっ!?」
「ナナさんは、あそんできていいよ!」
「でも、できるの?」
「だいじょうぶ! わたしもう七さいだもん!」
 ゆゆははっきりと言いました。
 ナナさんはすこしかんがえて、OK(おーけー)と、ゆびで丸を作りました。
「それじゃあお言葉にあまえて、赤ちゃんのことまかせようかな。よろしくねゆゆちゃん」
「うん! がんばる!」

 ナナさんは、いちどおうちにかえって身じたくをしました。

 ☆ナナさんをおしゃれにおきがえしよう! ふろくのきせかえシールをはって、すてきなコーデを作ってね。
(シールあそび)

 ふたたびお城にもどってきたナナさんは、きれいにへんしんしていました。ぎん色のイヤリングや、きいろのネックレスがとってもかわいい。リボンのついた水色のくつには、ゆゆの目もくぎづけです。

 ナナさんはりんちゃんをベビーベッドにねかせると、ふわふわの雲のゆかを、スキップしながら出かけて行きました。

 さあ、いよいよ、ゆゆはりんちゃんと二人きりです。わくわくして、しんぞうがドキドキします。

「今日は、わたしがおせわするね! りんちゃん!」
「きゃーあ!」
 りんちゃんはたのしそうに手をたたきました。
「りんちゃん、いっしょににあそぼうね!」

 ☆ハイハイレース
 お城のみんな(王様、おきさきさま、王子様、兵隊さん、メイドさん、シェフ、小人さん)と、きょうそうしよう!
 ジグザク、くるくる、でこぼこ道を通って、一ばんにゴールするのはだれかな?
(あみだくじ)

 ☆いないいないばあ!
 雲の上にすむどうぶつたち(白猫、雪うさぎ、ユニコーン、フクロウ、イルカなど)が、お城のいろいろなところにかくれているよ。ぜんいん見つられるかな?
(かくれんぼ)

 ☆だるまさんがころんだ!
 これは、お城のろうかのステンドグラスだよ。キラキラしてきれいだね。 
 右と左のページを見くらべて、ちがいを◯こ見つけよう!
(間違い探し)


「はぁはぁ、いっぱいあそんだね!」
 たくさんあそんで、ゆゆはくたくた。
 すこしきゅうけいすることにしました。
「ちょっとまってて」
 ゆゆは、おやつのばしょを知っています。
 ろうかの、本だなのうらにこっそりとかくされているのです。
 ゆゆはせのびして手をのばしました。

 ☆ごうけいが、◯になるものに色をぬってね。なにが出てきたかな?
(足し算や引き算で導き出された数に色を塗るぬりえ)

「じゃーん!」
 ゆゆが見つけてきたのは、カゴいっぱいのおやつです。
 にじいろのくるくるキャンディ、ふわふわのわたあめ、お星さまのゼリー。それから、りんごやいちごが入ったミックスジュースもあります。
「おいしそうでしょ? いっしょに食べよう!」
 ゆゆは、りんちゃんにわたあめをひとつ手わたしました。
 けれど、りんちゃんはぺろぺろなめるばかりで、もぐもぐしません。

「あっ、そっか。まだ食べられないんだね」
 ゆゆはハッとして、もういちどカゴの中をゴソゴソ。

 ☆りんちゃんにおすすめのおやつはどれ?
 小人さんたちが、じぶんの作ったおかしを食べてもらいたくてアピールしているよ。
 小人A「おれのコーラはいいぞ! シュワーって気もちがスッキリするぞ」
 星のストローのコーラ
 小人B「わたしは、ホットケーキを作ったわ。あまくておいしいわよ」
 ひよこのスプーンのヨーグルト
 小人C「ぼくは、おもちをやいたよ! みて! びよーんってのびるんだよ」
 クマのようなもち
(誤回答選択肢は、読者にも気をつけて食べてほしいもの)

 ゆゆは、ホットケーキを小さくちぎりました。
 (まえに、おかあさんもこうしてくれたのよね)
「よくかんで食べてね。のどにつまったらたいへんだからね」
 ゆゆがりんちゃんにあげると、りんちゃんは小さなおててでお口にはこびます。
「あいあい!」
「おいしいね!」
 りんちゃんのわらった顔をみていると、ふしぎとゆゆのこころもあたたかくなりました。
「りんちゃん、だっこさせて!」
 ゆゆは、りんちゃんのわきの下に手を入れてゆっくりともちあげました。
「わぁー!」
 りんちゃんは小さくてかるくて、ミルクのようなやさしいにおいがしました。
「いいにおい!」
「きゃあ!」
 ゆゆはりんちゃんといっしょに、とてもたのしい一日をすごしました。
 

 あれ?
 ゆゆはりんちゃんをだきしめたまま、いつのまにかねむってしまったみたいです。
 みんなで、ハートのベッドでおひるね。

 ☆ゆめのせかい
 おいしいものがたくさん。
 ゆゆはなにをえらんだのかな?
 食べたものをとおって、ゴールまでむかおう!
(しりとり)

「んー、もう、食べられないよー。りんちゃんもどうぞ」
「……りんちゃん? りんちゃん?」
 ゆゆがふと目をさますと、りんちゃんのすがたがなくなっていました。
 いつの間にか、あたりはすっかりくらくなっています。
「りんちゃん?」
 ゆゆは、あたりをキョロキョロ見わたしました。
 でも、ベッドの下にも、とびらのうしろにも、どこにもりんちゃんのすがたはありません。
「りんちゃん? どこ行っちゃったの?」
 ひゅーっと風がふいて、レースカーテンがゆゆのほっぺにあたりました。
 まどを見て、ゆゆは目をまるくしました。
「まどがあいてる!」
 ゆゆは、顔がさぁーっと青くなりました。
「どうしよう! へやから出ちゃったんだ!」
 ゆゆは外へとび出しました。

 ☆りんちゃんはどこへきえた?
 お城の中に、りんちゃんがいつもつかっているもの(うさぎのガラガラ、お花のヘアピン、ユニコーンのよだれかけ、水玉のくつした、小さなぬいぐるみ)が落ちているよ。ひろいながらりんちゃんをさがそう!
(迷路、短め)

「りんちゃーん!」
「こっちにおいでー!」
 ゆゆは、大きな声でりんちゃんをよびました。
 りんちゃんのことがしんぱいでたまりません。
 (あっちには池があるし、おばけが出るってうわさなのに。りんちゃん、ぜったいこわい思いしてるよね)

 ☆おばけやオオカミをさけて、りんちゃんをおいかけよう
 外はもうすぐ夜になりそう。
 オオカミやおばけたちが、お城のみんなをねらってかくれているよ。ぶつからないようにりんちゃんのあしあとをおいかけよう!
(裏庭の勝手口からキッチンの通行口へつながる迷路。ワープやトンネルもある。大きい。)

 ゆゆは、いろんなところを走りまわりました。
 だけど、りんちゃんはいなくて、かいだんにつまづいてころんでしまいました。
「うう……」
 ひざからは血がドクドクとながれています。
 ゆゆは思わずなみだがあふれてしまいました。
「りんちゃん、ごめんね……! さみしいよね。おなかすいたよね。わたしがちゃんと見てたら、りんちゃんいなくならなかったのに……!」
 なみだはぽたぽたと、地面に落ちました。
 (りんちゃん、しんじゃったらどうしよう)

 ☆ゆゆをなぐさめて!
 ないているゆゆのまわりに、きれいなお花を作ってね。(細かなシールで、花びらや花火のもようを作る)

 ゆゆのあたまの中に、りんちゃんのわらったかおがうかびました。
「まださがしてないばしょがある!」

 ☆今まで、出ていないへやはつぎのうちどれかな?
 正かいだと思うページをめくってね。
(ゆゆの部屋、雲のゆか、廊下、キッチン。正解はキッチンで、そのページから続きの話が始まる。不正解のページにはなぞなぞが書いてある。)

 ゆゆは、立ち上がってはしり出しました。

 ☆キッチンまでいそごう! 
 これまでのページの左のすみに、アイテムが落ちていたのに気づいたかな? 合わせていくつ?
(見開き左ページの隅に、たまにキャラクターや動物の小さなイラストが描いてある。合わせて八個くらい。)

 キッチンのとびらへちかづくと、ガサゴソと音がしました。
 ゆゆは思いっきりとびらをあけてさけびました。
「りんちゃん!」

「あら! ゆゆちゃん!」
 そこにいたのは、ナナさん。
 そして、ナナさんにおんぶされてすやすやねむっているりんちゃんです。
「りんちゃん! よかったー!」
 ゆゆは、ほっとして力がぬけました。
「お友だちとティータイムをさせてくれたおれいに、ケーキをやいていたの。びっくりさせてごめんね」
 テーブルを見ると、おさらにまあるいケーキがおかれています。
 ナナさんは、やきたてのケーキをナイフでそっときって、いちごと生クリームをもりつけました。

 ☆ケーキをかざりつけしよう!
 いちごやチョコレート、クリームをすきなところにはってね。(シール)

「さぁ、どうぞ。めしあがれ。いちごのシフォンケーキよ」

 ☆ここをこすると、いちごのあまいかおりがするよ。
(こするといいにおいのするしかけ)

「わぁ〜! おいしそう!」
「今日は、赤ちゃんのおせわをしてくれてありがとう、ゆゆちゃん」
「でも……りんちゃんから目をはなしちゃった。ごめんなさい。わたしが、ちゃんと見ていたらいなくならなかったのに……」
 りんちゃんはくちびるをぎゅっとむすびました。

 ナナさんはフォークにケーキをさすと、りんちゃんのおくちにはこびました。
 りんちゃんは思わず、もぐもぐ、ごくん。

「だいじょうぶよ。しんぱいしないで。いざとなったら、ここのおうちのメイドさんや、へいたいさんが、しっかりまもってくれるからね。きょうは、ほんとうにありがとう、ゆゆちゃん」
 ナナさんはにっこりわらいました。
 ゆゆは、じぶんのこころがほっとしたのをかんじました。
「うん!」
 ちょっとしっぱいしてへこんでいた気もちが、すうっときえていきます。
「また、いっしょにあそぼうね、りんちゃん!」
 ゆゆは、りんちゃんと目を合わせてほほえみました。