チャットの相手は同中の≪不登校≫≪生徒会長≫でした⁉

 
 コンテストの結果発表の日だからと、俺とユズは一台のパソコンに向き合って、審査が下るのを今か今かと神妙な面持ちで待っていた。


「第13回中学生ゲームコンテスト結果」

 メールから送られてきて、URLをクリックした。


 目を閉じて、深く息を吸い込む。

 心の中で何度も「届いてくれ」と繰り返しながら、両手を胸の前で組む。

 制作一回目でそんなうまくいい結果が得られないだろうとは思っていたが、やはり本番になると受賞していてくれと思ってしまう。

 指先は震え、肩はわずかにこわばっている。


 そっと目を開けて、震える手でマウスを操作する。

 ページが読み込まれて、結果が表示される瞬間、心臓が大きく飛び跳ねる。

 目を凝らして、「閉ざされた扉の向こうで」という文字を探す。

 家という舞台と心の奥に仕舞われた記憶を重ねたユズの考えたタイトル。

 スクロールする指が震えて、息をするのも忘れるほどだった。

 そして、そこにその文字を見つけた瞬間、胸の奥から熱いものが込み上げて涙が頬を伝った。


「やったね。ゆうや」

「閉ざされた扉の向こうで」は、大々的に記載された大賞よりも小さく書かれた入賞の3作品の一つの中にあった。


 抱き合って、喜びを分かち合う。

 ユズの瞳にも涙が光り、俺の胸には莫大な達成感が芽生えていた。


 自分の作品のページをクリックして、審査員公表ボタンをクリックする。

「閉ざされた扉の向こうで」という作品は、家族という身近な舞台を通して、誰でも感じたことのある過去の苦しさや記憶、感情の些細な描写がとても美しかった。キャラクターの心の動きが丁寧に表現されていて、深い余韻を残す作品であった。また、最後はプレイヤーに委ねるという精神も素晴らしいなと感じた。


 ユズと俺は何度もその文章を読み返して、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

「ちゃんと伝わったね」

「そうだね。嬉しい」

 俺たちは、しばらくその嬉しさに浸りながら、静かに画面を見つめ続けた。