「高校、第1志望を英知高校にして第2志望を北川東高校にしようかな。親には、模試が合格圏になってから言うつもり」
「応援するよ」
「勉強は忙しくなるけど、またに会おうよ」
「そうだね」
英知高校の見学会の日から、少しの月日が経ち、自分の方向性ははっきりした。
第1志望を英知高校にして、第2志望を北川東高校にすること。
英知高校は学力だけでなく人間性の重視する学校であり、自分の成長にとって最適な環境だと感じ、見学会では、校舎の雰囲気や先生方の熱意に触れ、ここで学びたいという気持ちが強くなった。
母親には、合格圏になった時点で報告し、もし、12月の模試までに合格圏にならなかったら、潔く諦める。
受かる可能性をしっかりと見せなければ、中学受験の二の舞になるからやめなさいと言われかねないから、そこまでは北川東にしておくと言って黙っておいて、その実力がついたら打ち明ける。
無理な挑戦で前のように失敗したくないという思いもあるけれど、目標をしっかりと定めた方が努力できるはず。
塾の大川先生は、母親に言わないことを条件にそのことを話して、「難しいことだとは思うけど、全力でサポートするよ」と言ってくれた。
先生の言葉に励まされ、心強さを感じた。
妹に関しても、母親に言わないことを条件に打ち明けた。
妹は驚いていたが、応援すると言ってくれた。
絶対に合格できるなんて言う自信はない。
だけど、やれるところまで自分を試したい。



