そう言われたあの日、私は今は返事をできないと言った。

あんなことがあっても、宗一郎は変わらず普通通りに接してくれる。

いろんなことを考えた。

自分の気持ち。病気のこと。この先について。

私は宗一郎が好きだ。大好きだ。でも、難病持ちの私は、長く生きられないかもしれない。

もし私が死んでしまったら、悲しい思いをさせてしまうことになる。

あぁ、でもそうなる前に別れたらいいのかな…?

もし、付き合っている期間中に悪化したらどうしよう。一緒にいる時に何かが起こってしまったら、心配させ

るだろうし、迷惑になる。

それに、この間知ってしまった。

薬を飲んでいなければ何かしらの症状が出てしまうことを。

でも、それでも宗一郎を他の子にあげるなんてできないし、ちょっとでもいいから宗一郎の隣を歩いてみたい。

そう思った姫奈は、これからよろしくお願いしますの言葉を伝えることを決心した。