あれからというもの、今のところ身体にこれといった不調はなく、気づけば6月になっていた。

我が校では6月に文化祭をするのが恒例で、今は文化祭特別準備期間となっている。


「えーっと、うちのクラスはメイド・執事喫茶をやることになってるんだけど、今からは…」

そう、私のクラスである3-E組はメイド・執事喫茶をすることになったのだ。

そんな感じでクラス委員の子が話をまとめていき、大まかな役割分担が決まった。

「姫は衣装制作だっけ?まぁ、手先器用だもんね〜」

「そうなの!ミシンを使うのは好きだから、おまかせあれ!」

そんなことを話していると、同じ衣装係の子たちが話しかけてきた。

千佳ちゃんに手を振ってその子たちの元へ走っていく。

それからは衣装係で話し合いをして、大体のデザインと、作る際の材料、そして採寸の日取りを決めた。

ちなみに今回は全員分の衣装を作るのではなく、接客をする人たちの人数分、おそらく25着ほどだ。

作る側の人たちは別に表に出るわけでもないので、動きやすい服で、ということになったらしい。

「ゴリっゴリのメイド服になったらしいじゃない。勘弁して…」

「大丈夫だよ!ちゃんと一人一人に合うように作るから!」

そう、瑠花も接客をすることになったのだ。

だが、さっきも言った通り、一人一人に合わせてイメージを崩さないようにおとなしめの見た目の子には静かめのメイド服を作るこ

とになったのだ。