「ほんとに、思ってるけど」



「えなに急にデレ?そーゆーのは彼氏にやってくれますー?っていないか、そこだけは私たちオソロだもんね」



「うるさい、いないんじゃなくて要らないんだってば」



そう、彼氏はいらない。ついでに麻紀にも必要ない。

だって私がいるじゃんか。きっと彼氏なんかより麻紀の事わかってるし、大切にできる。



私の恋は



まだいない彼氏に嫉妬しちゃうほどだ。






「あっれ〜?優香チャンじゃんおっはよ」




能天気に引き延ばされた声が耳に入ってくる。



…来やがった。私の天敵

ふらっと現れては私と麻紀の二人っきりの時間を邪魔するこいつ。




「バカ兄貴、かっわい〜妹には挨拶なしなわけ?」


「まぁまぁ、落ち着け我が愛しの妹よ。俺達は朝に挨拶を済ませた仲だろう?」