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「あー心、これさ実行委員の連絡事項?木崎に渡してきて~」
「えっ……、わ、私…?」
「だって、同じ係だろー?」
お昼休みに、ユキくんは、フフンと勝気な表情で私にプリントを渡してきた。
なんか弱味を握られたような、そんな感覚だ…
「……ユキくんも一緒に行こう?」
「やだよ、誤解されんじゃん。ただでさえ木崎の視線が痛えのにさ」
「え……」
あっさり断られてしまった…
どうしよう…
「……美亜、一緒に来て…お願いします…」
「しょうがないなー」
「ありがとう…!」
私の頭をヨシヨシと撫でる美亜に、心底感謝した。
拓くんはそんな私の姿を見て、首を傾げる。
「そんなに木崎に会いたくねえの?」
「…会いたくないと言うか……」
「そんなに嫌な奴じゃないと思うけどなあ。心のこと好きになるなんて、見る目あんじゃん」
「拓。だから言ってるじゃん?これはね、もう落ちてるんだって。ねえ、ユキ?」
「確実にな」
美亜とユキくんは二人してニヤニヤ笑っているけど、拓くんはやっぱり優しい。
「でも心は会いたくないってさ。これって落ちてんの?」
「わかってねえな~!会いたくないわけじゃなくて、会ったら緊張してどうしたらいいかわかんなくなんのよ」
「うんうん。それって、もう恋だよね」
「……美亜もそうだった…?拓くんのこと」
「いや、私達はそういう始まりじゃないもん~」
よし、行こう!と美亜に強引に手を引かれ、背中でユキくんと拓くんの頑張れ、を聞きながら教室を出た。
木崎くんのクラスは、一つ上のフロアなので階段を上って行く。
昼休みのおかげで、フロアも廊下も騒ついているのが救いだ。
あっという間に教室の前に着いて、そっと教室の中を覗く。
「いた~?」
「…ううん…いない、みたい…」
「昼休みだからねー、すぐ戻ってくるかな。……あ!心さき戻ってて」
友達の多い美亜は、このクラスにも友達がいるらしく、教室の中に入っていってしまった。
「あれ~?心ちん!?」
心ちん…?
って、私……?
後ろを振り向くと、背の高い、切れ長の瞳が私に向けられている。
でも、知らない人…
なんで私の名前…?
「あ、ごめんごめん。知り合いがね~、心ちんのこと気になっててさ~そんで俺も心ちんいい子だな~と思ってて。ツカサです、よろしくね~」
…そうだ、この人は、いつも木崎くんと一緒にいる人だ。
ツカサくん、って言うんだ。
「あー心、これさ実行委員の連絡事項?木崎に渡してきて~」
「えっ……、わ、私…?」
「だって、同じ係だろー?」
お昼休みに、ユキくんは、フフンと勝気な表情で私にプリントを渡してきた。
なんか弱味を握られたような、そんな感覚だ…
「……ユキくんも一緒に行こう?」
「やだよ、誤解されんじゃん。ただでさえ木崎の視線が痛えのにさ」
「え……」
あっさり断られてしまった…
どうしよう…
「……美亜、一緒に来て…お願いします…」
「しょうがないなー」
「ありがとう…!」
私の頭をヨシヨシと撫でる美亜に、心底感謝した。
拓くんはそんな私の姿を見て、首を傾げる。
「そんなに木崎に会いたくねえの?」
「…会いたくないと言うか……」
「そんなに嫌な奴じゃないと思うけどなあ。心のこと好きになるなんて、見る目あんじゃん」
「拓。だから言ってるじゃん?これはね、もう落ちてるんだって。ねえ、ユキ?」
「確実にな」
美亜とユキくんは二人してニヤニヤ笑っているけど、拓くんはやっぱり優しい。
「でも心は会いたくないってさ。これって落ちてんの?」
「わかってねえな~!会いたくないわけじゃなくて、会ったら緊張してどうしたらいいかわかんなくなんのよ」
「うんうん。それって、もう恋だよね」
「……美亜もそうだった…?拓くんのこと」
「いや、私達はそういう始まりじゃないもん~」
よし、行こう!と美亜に強引に手を引かれ、背中でユキくんと拓くんの頑張れ、を聞きながら教室を出た。
木崎くんのクラスは、一つ上のフロアなので階段を上って行く。
昼休みのおかげで、フロアも廊下も騒ついているのが救いだ。
あっという間に教室の前に着いて、そっと教室の中を覗く。
「いた~?」
「…ううん…いない、みたい…」
「昼休みだからねー、すぐ戻ってくるかな。……あ!心さき戻ってて」
友達の多い美亜は、このクラスにも友達がいるらしく、教室の中に入っていってしまった。
「あれ~?心ちん!?」
心ちん…?
って、私……?
後ろを振り向くと、背の高い、切れ長の瞳が私に向けられている。
でも、知らない人…
なんで私の名前…?
「あ、ごめんごめん。知り合いがね~、心ちんのこと気になっててさ~そんで俺も心ちんいい子だな~と思ってて。ツカサです、よろしくね~」
…そうだ、この人は、いつも木崎くんと一緒にいる人だ。
ツカサくん、って言うんだ。
