「すずちゃーん!」
「わぁ!」
今日も今日とて穂乃ちゃんが飛びついてくる。
「もぅ、穂乃ちゃん、飛びつくのやめてよ〜。びっくりするじゃん」
「あははっ!ごめんごめん☆」
かるーく怒ったら、ウインクしながら謝られる。
いや、軽すぎるよ!
反省のはの字が一切見えなくてちょっと呆れた。
「浜宮さーん!!鴻上さーん!!おっはよー!!」
後ろからもの凄い速度で走り寄ってきたのは、最近の悩みのタネの鳳来くんだ。
「わ〜!!鳳来くん、おはよー!!」
「鴻上さん、おっはよー!!」
穂乃ちゃんと鳳来くんがハイテンションで挨拶をしていて、文字通り頭を抱えてしまった。
なにこれ…。
二人が、双子なんじゃないかと疑いたくなってくる。
フツー朝っぱらからこんなに元気なこと無いよ。
「鳳来くん、おはよ」
「おはよーさん!!」
関西弁の挨拶にキラキラスマイルをつけている鳳来くん。
こんなのファン達が見たら失神するな……。
「ねえねえ、せっかくだし苗字じゃなくて名前で呼ばない?苗字だと堅苦しいじゃん?」
「確かにせやな!じゃあ、俺のこと、狐斗って呼んで!」
「うん!あっ、でも君付けでいい?なんだか違和感があるから…」
「全然オッケーやで!」
二人とも仲いいな…
「涼乃も俺のこと名前で呼ん…「やだ」」
「ちょ、断るの早ない!?俺、悲しいねんけど!」
食い気味で断ったら、一瞬でツッコまれた。
隣で、穂乃ちゃんがツボに入ったのか、ずっと笑ってる。
「笑わないでよ…」と、駆け寄りながらちょっと怒る。
「ちょ、無視しんといてよー!!」
後ろでなにか叫んでいるけど…、無視でいいよね。
穂乃ちゃんは無視しているのにもツボに入ったのか、さらに笑ってる。
「あはははっ!むりっ、きつい、あははっ!」
「いや、どんだけゲラやねん」

