ーお見合い場所のホテルについた。
どうやら個室を予約してくれていたようで、
入ったらもうお見合い相手の人が待っていた。
「お待たせしました」
「いえ、今来たところですよ。
どうぞ」
優しそうな男性が待っていてくれた。
ーいい人そうで良かった。
そんなことを考えながら座ると、
男性の目線が入口に移って驚いた顔をした。
「すみません、あの方は?」
「あ、私のボディガードなんです。
気にしないでください」
ーそう言われても気になるだろうな。
橘は入口の近くに立ち、
私たちの会話は聞こえないくらいの距離にはいたものの、
鋭い目付きでこちらを見ていた。
お見合い相手は、
「わかりました」とは言ったものの、
橘のことが気になるようで、
その後もずっと表情が強ばっていた。
ーああ、やっぱりまたダメだったか。
最初のお見合い相手には断られ、
その後、他のお見合い相手にも断られ続けている。
みんな理由は言わないが、
おそらく橘が原因ではないかと思う。
皆最初はにこやかな態度だけど、
橘を見る度に怖がってしまい、
話が上手く続かなくなる。
橘とずっと一緒にいた私ですら、
お見合いのときの橘は怖いので、
初めて会った人にとってはかなり怖いだろう。
橘に何度かもっとにこやかにできないかと
お願いしたが、
「これくらいで怖がるようじゃ認められない」と言って、
態度を変えてくれなかった。


