溺愛している娘は俺の宝物だった

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 自分と違い、利発的でもなく、幼げでおっとり、その上マイペースなゆみならば。

 少し余計なことでもして、私が気が乗らない件をダメにしてくれそうで。

 だからこそ、今回の身代わりの件をしかけたのに。

 すぐさま相手から次の誘いがくる意外な展開に、私はびっくりしていた。

「……多分、これってお断りかも」

「そんな感じ?」

「ほら、私のことを調べただろうし」

「あ、そっか」

「そうでしょ? やっぱり」

 ゆみは、うんうんと自分を納得させるように頷いている。

 私もそうだろうねって、顔になる。

 ゆみの家庭の複雑な事情は、私は誰よりも知っている。

 名家出身の杉本まひとさんとゆみは、何も起こらずに終わる。

 私は、問題ないと呑気に考えていた。