溺愛している娘は俺の宝物だった

 エピローグ~たとえ歌えなくても


 ゆみは、押し黙っていたが、不意に俺にしがみついてきて、声を殺して泣き出した。

 俺は、ゆみの今にも折れそうなか細い肢体を、ぎゅっと抱きしめる。

 今も昔も変わらない。

 柔らかな温もり。

 俺は、突き上げてくる焦がれる想いとともに、如実に噛みしめていた。

 手ばなしてしまった、あの頃とは違う。

 以前より大人になった自分の力を信じている。

 誰よりも何よりも、大切なゆみを傷つけない。

 傷つけることなど、俺が許さない。

 俺は、全身全霊で強く誓っていた。

 ゆみの才能ある癒しの歌声があってもなくても。

 俺にとって、それは関係ない。

 ゆみの可愛らしい声で、俺だけの名前を彼女が囁いてくれるためにも。

 今度こそ、この手で永遠に守り続けたいーー。








※お読み頂き、ありがとうございます。
 短編だったので、1作目と同じ身代わり内容ですが、コンテストの応募を変更いたしました。(私自身正式なデビューはまだなので、他の作品で、夢のためにいろいろ応募できればと思います)。

 切ない二人の想いを感じて頂ければ幸いです。
 これから先も心に響く切甘ラブストーリーを書き続けたいと思いますので、気長に宜しくお願いします。