「殿下、おひとりでの行動はおやめ下さいとあれほど」
「でもー。大丈夫だよ、ボクだもん。ちゃんと魔塔のみんなには言ってきたから大丈夫だよっ」
「しかし」
「も~! レオンくんは心配性なんだから。大丈夫だって。ボクは魔塔の主だよ」
呆気に取られる私の前で、レオン兄様とエリオット殿下がそんな会話を交わしている。
普通、王族が貴族の家を直接訪ねてくるものではないけれど。きっとそういうものさしでは測れない御方なのだろうということが分かった。
(……魔塔)
二人の会話を拾った私は、ゆっくりとその言葉を反芻した。
聞いた事がある。
魔塔とは、王国内に存在する高位魔術師たちが研究と修行を積む施設で、一般人にはほとんど縁のない場所だと。
貴族の中でも、ごく限られた才能ある者しか入れないのではなかったかしら。
そんな場所を統括するのが、この目の前にいる第三王子エリオット殿下ということ……?
エリオット殿下は、私の視線を感じ取ったのか、にっこりと笑った。
「ボクが魔塔の主、エリオット・ウィンフォードだよ」
名乗りながら、なんと私の周りをぐるぐると回り始めた。
「お初にお目にかかります、エリオット殿下。エバンス伯爵家の長女、リリアナと申します」
「うん、リリアナ! よろしく~」
「……え、ええっと、殿下……?」
「ふんふん、思ったとおり、物凄く珍しい魔力の色だなぁ~!」
挨拶が終わった私の周りをくるくると回りながら、殿下はとても楽しそうだ。赤い瞳が私をじっと見つめている。
「これは研究しがいがありそう~!」
――もしかして、殿下は私を実験対象にされるおつもりなのかしら。
そう思ったところで、私と殿下の間にレオン兄様がずいと割って入る。
「エリオット殿下。妹が怖がっておりますので」
「あっ、レオンくん! この前は実験に協力してくれてありがとうね~!」
エリオット殿下は足を止め、きょとんとした顔をした。
あ、お兄様の表情がものすごく暗くなったわ。
「この前レオンくんには、レンガ耐久実験に参加してもらったんだよ~! 能力強化魔法がピカイチだからさ。ボクらが開発した『スーパーレンガくん百号』とレオンくんのどっちが強いか!」
エリオット殿下はとてもニコニコしている。
……え、ええと。百号ということは、もしかしたらその実験は百回近く行われていたのかしら……?
「でもー。大丈夫だよ、ボクだもん。ちゃんと魔塔のみんなには言ってきたから大丈夫だよっ」
「しかし」
「も~! レオンくんは心配性なんだから。大丈夫だって。ボクは魔塔の主だよ」
呆気に取られる私の前で、レオン兄様とエリオット殿下がそんな会話を交わしている。
普通、王族が貴族の家を直接訪ねてくるものではないけれど。きっとそういうものさしでは測れない御方なのだろうということが分かった。
(……魔塔)
二人の会話を拾った私は、ゆっくりとその言葉を反芻した。
聞いた事がある。
魔塔とは、王国内に存在する高位魔術師たちが研究と修行を積む施設で、一般人にはほとんど縁のない場所だと。
貴族の中でも、ごく限られた才能ある者しか入れないのではなかったかしら。
そんな場所を統括するのが、この目の前にいる第三王子エリオット殿下ということ……?
エリオット殿下は、私の視線を感じ取ったのか、にっこりと笑った。
「ボクが魔塔の主、エリオット・ウィンフォードだよ」
名乗りながら、なんと私の周りをぐるぐると回り始めた。
「お初にお目にかかります、エリオット殿下。エバンス伯爵家の長女、リリアナと申します」
「うん、リリアナ! よろしく~」
「……え、ええっと、殿下……?」
「ふんふん、思ったとおり、物凄く珍しい魔力の色だなぁ~!」
挨拶が終わった私の周りをくるくると回りながら、殿下はとても楽しそうだ。赤い瞳が私をじっと見つめている。
「これは研究しがいがありそう~!」
――もしかして、殿下は私を実験対象にされるおつもりなのかしら。
そう思ったところで、私と殿下の間にレオン兄様がずいと割って入る。
「エリオット殿下。妹が怖がっておりますので」
「あっ、レオンくん! この前は実験に協力してくれてありがとうね~!」
エリオット殿下は足を止め、きょとんとした顔をした。
あ、お兄様の表情がものすごく暗くなったわ。
「この前レオンくんには、レンガ耐久実験に参加してもらったんだよ~! 能力強化魔法がピカイチだからさ。ボクらが開発した『スーパーレンガくん百号』とレオンくんのどっちが強いか!」
エリオット殿下はとてもニコニコしている。
……え、ええと。百号ということは、もしかしたらその実験は百回近く行われていたのかしら……?
