もう誰もいない体育館 着替えに行った紳を待つ この時間が大嫌い さっき片付けたボールを出す ゴールに向かって立ち 見つめて‥シュート あたしの手から離れたボールは ゴールに当たって跳ね返った とん とん とん ボールはリズムを刻み 地面を何度も叩く 誰もいない体育館に響く ボールは跳ねるのをやめて 遠くへ転がって行く あたしは追いかけずに 床に座り込む 「‥好き」