電車にのると、ポールによりかかり大きく息をつく。 茉琴はようやく自分の気持ちに気付いた。 脳裏に中田の言葉がよぎる。 私は、神谷から誰かを紹介されるのが嫌だ。 神谷のことが好きなんだ。 気づいてしまうと、茉琴は戸惑った。 圭人は自身に向けられる恋愛感情には非情な一面がある。 美咲の存在を知っている茉琴はそれも強く納得していた。 だからこそ茉琴は自分のこの気持ちはうやむやにしてもいい。 ただ、圭人との同僚としての今の関係が崩れるのだけは避けたいと強く思った。