『結衣ちゃん、僕のこと…好き?』 静かになった病室で稲葉さんは唐突に言った。 私は真っ赤になって俯く。 いや…そりゃあ好きなんだけど… でも…はっきり 「好きです」 なんてとてもじゃないけど私には言えない。 『あれ?好きじゃないの?』 黙った私に稲葉さんは悪戯な笑みを浮かべる。 意地悪稲葉さん…現る。 どうしよ…やっぱり、言うべき? いや…でも恥ずかしいし… なんて心の中で呟いているとまた後ろから抱きしめられた。 そして私の耳元で囁いた。 『僕は…結衣ちゃんのこと、好きだよ?』