7日間の恋






言葉より先に涙が溢れた。

頬をつたい、床に雫が落ちる。



稲葉さんはその涙に気づき、私の前に回り込むと微笑み涙を拭った。


ほんのり赤く染まった稲葉さんの顔。


「私も…好き、です

あのときからずっと…好きです」



そう言うと稲葉さんは私をまた抱きしめた。


稲葉さんの胸に耳を当てると私と同じくらい速い鼓動。

なんだ…ドキドキしてるのは私だけじゃないんだ。



『ってか…ごめんね?結衣ちゃん。

ちょっとだけ…いいかな?』


稲葉さんはそう言って私から離れる。

そしてドアに近づくと…



『いつまでそこにいるんだ?津川』


そう言ってドアを開けた。