7日間の恋






『僕はずっと、好きだった。


どこがどう好きかとか分からない。

でも、気づいたら好きになってた。


ただ、最後に僕はあんなことを言ってしまった。』


稲葉さんの腕に力が入る。


最後…退院する前日


稲葉さんは私に勘違いするなと言った。

稲葉さんは私みたいな子供は最初から相手にしてないと言った。


あのときのことを思い出すだけで胸が痛む。

けど、それでもキライになることはできなかった。




『僕は結衣ちゃんに幸せになってほしかった。

僕の手では幸せにできない、ってそう思ってた。


だから、あんなこと言ったんだ。

あれで結衣ちゃんが僕のことなんてキライになってくれれば、って。


本当は…キライになんてなってほしくなかったんだけど』



もしかしたらあのとき、稲葉さんは気づいていたのかもしれない。

私のキモチに。