あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

驚いたようにあたしを見た空に向かって、続きを話した。





「あたしのお父さんも、お母さんも。あたしがいたから、短い時間しか生きることが出来なかった。あたしの兄弟だって、一人で背負わせたから、当たり前の日常を送れなくなった」



「……」



「実はね、あたしも双子なんだよ」



「そうなのか?」



「うん。あたしには、大好きなお兄ちゃんがいるんだけどね? お兄ちゃんはあたしより劣っていたところがあった」






劣っていたところって言うのは、運動神経。


あたしの方が優れていたから、あたしは組長になるって言われてた。






「でもね、あたしの方が劣っていたところだってあったんだよ」



「……!」



「あたしの方が、バカだったからさ。お互いに、支え合ってたよ」






あたしは、組長。怜は、社長。






「お互いが、唯一無二で。どちらかが欠けたらダメだった」



「そ、れは……」



「だから、空。もういなくなるなんて考えないでよ。絶対に欠けたらダメ。取り残された方は、絶対に辛いから」







怜がああなったとき、あたしはどれだけ絶望したか。辛かったか。



忘れられないくらいの怒りと、憎しみと、悲しみがあった。



いなくなるってことは、誰かが悲しい思いをするっていう事と同じなんだよ。