あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

「そ、空!? なにやってる!?」




そう言って、陸も空を追いかけた。




「なにって……近づいてる」


「ばか! そう言うことじゃねえよ!」


「えっと……どういうこと?」




双子がわちゃわちゃ言っていると、ベンチから声が聞こえた。








「うーん……騒がないでよ、三月、蒼……」






みつき? あお?



誰だ……?





でも、聞こえてきたのは、確かに望月の声だった。


ただ……とげとげしい様子はなく、穏やかでのんびりとした声だった。




「みつき? 誰だよ、それ」


「ん……? 誰って、三月は三月でしょ……?」




あいつ……多分、寝ぼけてる。それで、陸を『みつき』ってやつと勘違いしてるんだ。



かなり目覚めが悪いのか、望月はぼーっとしていた。




「うーん……それにしても、今日は静かだねえ……いつも、下が騒がしいのに……」


「下? 誰だよ、そいつ?」


「誰も何も……って、あれ? あなた……三月じゃないね?」




望月が目を開けて陸をみつめる。




「しかも、あなたって……白夜、だよね?」


「それが、なんだよ?」


「そっか。で、隣のあなたも、白夜だね? 双子かな?」


「……ああ」




そして、望月は振り向いて、俺たちを見た。




「はあ。お前もいたんだ。じゃあ白夜の幹部全員ってとこ?」


「俺のことだけお前って言うのはやめろ」


「お前はそれでいいでしょ」