あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

『乃亜。怜。お父さんに何があっても、頑張れよ……!』



このとき、お父さんは既に気が付いていたのかもしれない。


この戦いで、生きて帰れる保証がないこと。



『『うん! 分かった』』



声をそろえて返事をすると、お父さんは笑顔を見せてくれた。



そうして、あたしたちは今度こそ屋敷を離れた。




でも、離れている途中。


漣組の奴らに見つかったんだ。



銃を持った、黒髪で蒼い瞳の男の人。


それと、あたしと同じくらいの年齢に見える、大人の人と同じ髪と瞳の色をした男の子だった。




『ん? お前らは……組長の家族じゃねえか』


『っ……!!』



こいつ……まさか……っ!?



『お前ら二人が、子供だな? 俺が、漣組の組長だ。それにしても、残念だったなあ? お前らの父さんは……』



やめろ。やめろ。やめろ。


信じたくないけど、その言葉は……っ。
















『俺が、殺してやったよ』