————あたしは、いい子なんかじゃない。
家族を誰一人守れずに逃げた、あたしが。
怜の違和感に気がつけなかった、あたしが。
たとえ友達でも、復讐のためなら、と考えてしまうあたしが。
漣組のやつらを皆殺しにしようとまで考えているような、あたしが。
————いい子なわけない。幸せになっていいわけがない。
ほら、すでにあたしは汚れている。
「あれ、乃亜? 大丈夫?」
「はは、大丈夫だよ! 心配なさらず!」
あたしは、平気で嘘だってつける。
偽物のあたしを作り上げれる。
今も、あたしはきっと笑えただろう。
あたしの嘘を見抜ける人なんて、きっと誰もいないんだから。

