あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


————あたしは、いい子なんかじゃない。




家族を誰一人守れずに逃げた、あたしが。



怜の違和感に気がつけなかった、あたしが。



たとえ友達でも、復讐のためなら、と考えてしまうあたしが。



漣組のやつらを皆殺しにしようとまで考えているような、あたしが。






————いい子なわけない。幸せになっていいわけがない。




ほら、すでにあたしは汚れている。





「あれ、乃亜? 大丈夫?」


「はは、大丈夫だよ! 心配なさらず!」





あたしは、平気で嘘だってつける。


偽物のあたしを作り上げれる。




今も、あたしはきっと笑えただろう。




あたしの嘘を見抜ける人なんて、きっと誰もいないんだから。