あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

「それに、私にはちゃんと本当の友達が出来たから! 気にしてくれてありがとう、夏希くん」


「……ははっ、あの子……乃亜ちゃん、だっけ。あの子には負けたなあ」




夏希くんは、乃亜ちゃんを少しは認めてくれたみたいだ。



そういえば。




「ねえねえ、玲夜くん。玲夜くんと乃亜ちゃんって、同室なの?」


「ああ……そうだけど」


「どんな子だった? 性格悪かったの?」



私がそう聞くと、少しだけ考えたようにして玲夜くんは言った。



「……悪くは、ない。今日の朝も、お詫びとしてサンドウィッチ作ってくれたし」


「ええー、いいなあ。私も食べてみたい」


「で、味は? 破滅的だった?」



夏希くんが笑いながら聞くと、玲夜くんは首を横にふった。



「いや、すげえ美味かった。朝も起こしてくれたしな。でも……」


「「でも?」」


「なんていうか、あいつ……態度がちょっと……」



態度? そんなに悪いの?


そう思ったけど、さっきの二人の険悪な様子を見て、少しだけ納得した。



「でも、媚びじゃなくて、嫌がってるんだろ? 玲夜が嫌いなやつなんているかな」


「ああ……あいつは、不思議だ」


「うーん……あっ、そうだ。今日は、二人も教室に来ない?」



教室に来たら、乃亜ちゃんと話して仲良くなれるかもしれないし!


乃亜ちゃんは知らないと思うけど、乃亜ちゃんの隣の席は玲夜くんだ。


それに——。



「女嫌いの玲夜くんにも、春が来るかもしれないよ?」


「っ、はっ!? 俺が恋愛なんかするわけねえだろ……」



そう言いながら、顔は赤い。




ふふふ。



あの二人、意外と良いと思うんだけどなあ。




二人の様子を思い浮かべて、私は微笑んだ。