「……琴音ちゃん、嫌な思いさせたならごめんね。あたしは、琴音ちゃんが凶暴とか、最低だとか思ってないよ」



「……っ」



「見ず知らずのあたしを助けてくれたのは、琴音ちゃんだから。そんな子が、悪い子なわけない」




あたしがそう言うと、琴音ちゃんは大粒の涙を流していた。




「それから……あたしが、白夜に取り入りたいとか思ってるかもしれないけどさあ」




白夜のメンバーを一人一人みると、全員警戒したようにあたしを見つめた。




「思ってないよ。あたしは漣と今同じ部屋に住んでるけど、やましい気持ちもなんもない。むしろ邪魔」


「は? 邪魔は言いすぎだろ」


「だって、ほんとに邪魔なんだもん。リラックスもできない。変に気を遣う」


「……うぜえ」


「あ、でもソファで寝させた事はごめんね? 今日のはお詫びだからさ!」


「はあ……」


「じゃあ、琴音ちゃん、またねっ」



ひらひらと手を振って、あたしは教室を後にした。