少しだけかがんで、彼の耳元を覗き込んだ。
「……え」
彼の左耳には————銀色の、三日月のピアスがついていた。
銀色の三日月。
つまり、白夜総長———。
「……みつけた」
「なんだ、お前? いい加減にしろよ」
いい加減にしろ? あたしは、探していた人を見つけれたんだよ?
いい加減とかそんなのないでしょ。
それにしても……。
「名前を聞くなら、先に名乗ってはどうですか? まあ、いいですけど」
名乗らず人に名前を聞くなんて、マナーとしてどうなんだろう。
あたしは、昔そういったことも指導されてきた。
だから、マナーには厳しいつもりだ。

