あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


少しだけかがんで、彼の耳元を覗き込んだ。



「……え」



彼の左耳には————銀色の、三日月のピアスがついていた。


銀色の三日月。



つまり、白夜総長———。




「……みつけた」



「なんだ、お前? いい加減にしろよ」




いい加減にしろ? あたしは、探していた人を見つけれたんだよ?


いい加減とかそんなのないでしょ。




それにしても……。




「名前を聞くなら、先に名乗ってはどうですか? まあ、いいですけど」




名乗らず人に名前を聞くなんて、マナーとしてどうなんだろう。


あたしは、昔そういったことも指導されてきた。


だから、マナーには厳しいつもりだ。