組長? お父さんの名前は、組長じゃないのに。
日頃から、違和感を感じながら育ってきた。
そして、あたしと怜が5歳になった日のこと。
お父さんとお母さんは、真剣な表情をしてあたしたちに告げた。
『お父さんは——✗✗組の組長なんだ。そして、お母さんは✗✗財閥の社長なんだよ』
『組長? 社長? それって、なあに?』
『組長や社長は、リーダーみたいなものだよ。みんなをまとめるんだ』
『そうなんだ! お父さんもお母さんも、すごいんだねっ』
その後、あたしと怜にいろんなことを教えてくれた。
将来、あたしと怜のどちらかが組長となり、もう片方が社長になるということ。
あたしたちは、狙われる可能性が高いため、注意しないといけないこと。
将来、この組と財閥を継ぐために、強くならなって、マナーも学ばないといけないこと。
