動き出した車の中で、変装をする。


鏡でちゃんと確認もしたし、これでいいね!



ここから御影学園までは車で1時間ほど。


車の中でのんびりとしていると、運転している奏兄ちゃんが声をかけてきた。



「なあ、お前さーーー復讐するのか?」



……そんなの、前から分かっていた事でしょ。




「うん、するよ。だって、そいつは怜をあんな状態にしたんだよ? そんなの、許せるわけないじゃん」



「……そうだな。俺も許せないし。ま、俺は反対はしない。でもな?」



車のミラー越しに、目が合った。




「———絶対に、後悔だけはするんじゃねーぞ」




「うん、分かってるよ。後悔だけはしないように。そうする」