【乃亜 side】
ゆっくりと、おろされたフード。
あたしは、彼の素顔を見て、殺気が失せた。
正気に、戻った。
どうして、ここにいるの?
本物なの?
「―――――れ、い?」
その名前を呼ぶと同時に、目から大粒の涙が零れ落ちた。
それを見て、にこりと笑う。
「……久しぶり、乃亜」
その顔を見て、安心したのか。
あたしの涙腺が決壊した。
「う……っ、あ……っ! うわあああっ……!」
その場に、崩れ落ちる。
あたしは、子供のようにわんわんと泣き喚いた。
それに気付いて、あたしの体をそっと抱きしめて、背中をとんとんと叩く。
感じるぬくもりが、生きているってことを感じさせられた。
「ごめんね、一人で抱え込ませて。辛い思いさせて」
「あ、たし……っ、お父さんも、お母さんが、いなく、なって……怜まで、いなくなって……ひとりぼっち、だって……っ」
途切れ途切れのあたしの声を、しっかり聞いてくれる。
怜は、あたしと目をしっかりと合わせて聞いてきた。
「うん。今回は気絶させずに正気に戻ったみたいだ。で、乃亜。聞きたいんだけど」
「なに?」
「……俺が白夜にやられたと思って、白夜に復讐したわけ?」
え、違うの?
「そう、だけど」
「……違う。俺はあの時、玲夜のピアスを渡して『白夜が襲われてるから助けて』って言いたかったんだ」
「はあ!? なにそれ」
「それはこっちのセリフ。で、正統派の白夜を攻撃した、と」
「いやいや、それは仕方がないって……」
じゃあ、全部あたしの勘違い?
白夜は、正統派だったの?

